シニアーゼ〜まるくるみらくる

60代は余生じゃない。荷物を降ろした新しい人生の始まりなのだ。

今さら紅白。今だからこそ、福山雅治「道標」

今さらですが、2021年末の紅白歌合戦のラストを見損ないました。

あともう少しでトリを飾る福山雅治さんとMISIAさんだったのです。

なのに、これ以上無理、眠い眠すぎる。

体力の限界。

裏返った眼球。頭半分シボー状態。

悲しい。

仕方がないので寝ることにしましたが、どうしても見たい。リアルタイムで見る感動は味わえないけど、録画はしておこうと、なんとか録画だけはして、除夜の鐘を聞くこともなく寝てしまいました。

 

その後、例によって月日は飛ぶように過ぎてゆき、録画していたこともすっかり忘却。なにかと忘れっぽい今日この頃です。

悲しい。

 

しかし、ついに先日、思い出しました!

快挙!

そう言えば、紅白のトリ見てなかったねと、さっそく見ることに。

夫T氏が、マーシャとミーシャの対決だ!とさも嬉しそうに言うので、

なるほど!よく気がついたね~と思わず手をたたきそうになりました、

が、待てよ?

福山雅治さんの愛称は、マーシャではなく「ましゃ」。

まあでも、なかなかいい音合わせに気がついたので、

普段はダジャレもオヤジギャグも出て来ない、何事にもピンと来ないT氏にしたら快挙です。

快挙二連発!なんてワハワハ笑いながらもパンドラの箱を開けるがごとく、録画を再生。

おお…

ワハワハ下等な笑いに身をゆだねていた私たちは、胸いっぱいの感動の渦に巻き込まれることになったのです。

 

福山雅治さんの歌「道標」(みちしるべ)。

わたしは、その手が好きです...から始まる歌い出し。

誰がなんと言おうと、わたしは、私は、この私は、その手が好きなんです、そうきっぱり言い切ってからの展開。

 

しかしこの日、福山さんは「その手」を「この手」と歌っていました。

ファンの皆さんは、ましゃが歌詞を間違えた、そう思ったらしいです。

でも、福山さんがパーソナリティを務めるラジオ番組で(ちなみに東京エフエム「福のラジオ」)たまたま聞いたのですが(いやたまたまっていうか、毎週聴いてます!ラジコで(笑)、そこで福山さんご自身が語っていたのを想い出しました。

一字一句は覚えてないですけど内容は、

歌詞、間違えたねって言われるんだけど、あれが生放送、ライブなんだよね。

あの時、あそこでは、「その手」じゃなくて「この手」だったんだよ。

 

その語りを、私は、この録画を見る前に聴いていたのです。

あぁ、このことか!

みかん畑をしていた今は亡き彼の祖母を歌った歌であること、

祖母だけでなくて、今ここに立っている自分をここまで導いてくれた色んな人々への感謝を込めて歌いたい、

そんなことを歌う前に語っていた福山さん。

きっと、ありがとう!と感謝をしたいたくさんの人々の顔が脳裏に浮かんで、命が繋がれ、色んな手に導かれ、今、ここに自分のこの手がある...

そんな気持ちがどっと押し寄せて「その手」ではなく「この手」になった。

そう思いました。

 

歌の途中にいきなり現れる、海。

「私は、この海が好きです」

頭の中が、みかん畑のおばあさまの映像から突然、海の眺めに切り替わります。

「弓型に続く線路の」

「あなたが育った」

海。目の前に海。ぱっと開けるように海。

懐かしい海。

私の頭の中にも、知っている海の清々しい景色が開けました。

抜ける空の青と静謐。

 

つま先まで、真っ白な衣装。

心を振り絞って歌う福山さん。

そのバックに、フラワーアーティスト東信(あずま まこと)さんの情熱的で豪華で絢爛な花たち。

その花たちがいっせいに自らの輝きを消し去って、歌に合わせて大きくうなづくように揺れているようでした。そして揺れながらしんと静かに聴き入り、包み込んでいきました。

 

この歌はもう彼のファミリーヒストリーだと思います。

彼だけでなくて、

誰の胸の中にもどこかにあるヒストリー。

そのヒストリーの中に、ピカリと輝く大好きな人。

心の中を温めてくれる大切な。

 

「あなたの笑顔」

「それは道標(みちしるべ)」

 

ここまでの歌詞の全ての行き先。

あなたの教えでもなく、あなたの叱咤でもなく、あなたの激励でもない。

あなたの笑顔

ただ 笑顔。

笑ってる顔。

それが、道標(みちしるべ)

 

いつだって見上げれば、そこにいて。

北極星のようにただそこで。

自分を見つめている優しい笑い顔。

もうね、胸熱が止まりませんでした。

人が人を育てる時に、いっちばん大切なものを、ましゃのこの歌、

この紅白のこの時の歌に改めて気づかされた気がします。

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この歌、元々は2009年の作品だったのですが、この紅白の反響を受け、13年の時を経て今月2/6に「道標2022」としてデジタルリリースされたらしいです。

先日、福のラジオで2009年の最初の歌と、「道標2022」を比べるように流してくれましたが、ハッキリ言って別物でした。

 

「道標2022」は歌い出しが彼の独唱でとてもすてきなのですが、そういう技術的なアレンジのせいで別物じゃなくてですね、13年の年月が彼を変えたっていうかそんな感じです。

ファンの皆さんには失礼ですが、元々、私は彼の歌をうまいとか、素晴らしいとか思っていませんでした。

けれど、年齢を重ねて、人は変わって行くのですね。

人の中身が変わり、歌の重さも変わった。

今は、彼の歌が大好きですし、もしかしたらファンなのかもしれないです!(笑)

 

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