シニアーゼ〜まるくるみらくる

60代は余生じゃない。荷物を降ろした新しい人生の始まりなのだ。

主婦業の退職金

四月ですね〜。せっかくなので、ブログの体裁を変えてみました。

朝ドラも新スタートしましたね。

今回は、女性で初めて弁護士そして裁判官になられた方のお話しですが、いやはや当時は今では考えられないほど女性に対する蔑視は激しかったですね。

 

先日、コロナを越えて友人との久しぶりな再会をしたのですが、その時の一発目からのご発言に頭上に雷が落ちて弾けました。

え?  は?・・・ズドギョ~ン!!!

それが、これ。

  ⇩

私ね、60歳になったら主婦業を退職するの!

 

彼女はまだ還暦前の現役。

退職?

今の仕事じゃなくて?

主婦業の?

今まで考えもしなかった発想に、脳天にズサリと刺さってぱあ~っとたくさんの花が飛び出しました。

 

主婦業なんて無報酬が当たり前。

家の仕事は女がするもの。

そんな時代に育ったワタクシ。

(大昔よりはましな時代ではある)

確かに今では、「予約の取れない家政婦」等という煌びやかな?家政婦業や、掃除や食事の支度など家事を担うお仕事がたくさんあります。

 

毎日の生活を滞りなく送るため、名前のない仕事の他に、料理、買い物、掃除、洗濯、保育etc…なくてはならない不可欠なお仕事。

そんな主婦業に退職がない。

そのことになぜ今まで全く気がつかず、主婦業だけは永遠、みたいに思っていたのか。それこそ長年に渡る「刷り込み」の結果なのか。

目からウロコってこういうことなのかと思いましたよ。

 

だいたいね、会社に行って帰って来るだけって、学校行って帰って来るのとたいした差はないんですよ。

こっちは、朝起きてから仕事に出るまで家事のあれこれをこなし、仕事を終えてからは帰宅途中に買い物や外回りの用件消化。帰って来たらすぐに夕食の支度(ひと息入れたら立ち上がれなくなるけど20分の失神はある)、片付けを終えたらさらに明日の弁当や朝の支度へと続く家事のあれこれと、布団に入って横たわるまで一日中働き通しの日々を乗り越えて来たんですよ。

終わりがあってしかるべき。

確かにそれはありだ。

そんなこんなを語り合っていると、

さらに続けて、

 

でね、退職金をもらうの。

 

え。。。?

…退職金!?

主婦業の?

 

聞けば、「そうだ!主婦業を退職しよう、そして退職金をもらおう」そう気がついたのが40歳の時だそう。そこから少しずつ積み立てたとのこと。

だって主婦業にも退職金があっていいでしょ、晴れやかに笑いながら言います。

そんなこと、考えもつかなかったなー。

 

今は、ひと足お先に定年退職した夫さんが、彼女に代わって少しずつ主婦業を習得中とのこと。

まだね〜買い物と食事の支度までは行ってないのよ。とは言うものの、今日だってアッシー君となってにこやかに彼女の送り迎えをしておられました。

「一番のポイントはね、彼にやってもらってる時に悪いな〜とか、ごめんねーとか思わないこと。それが当たり前と割り切って、いたって普通に見てみぬふりをすること、これが一番難しかったかな」

ニコニコと軽やかに話す彼女が面白くてたまりません。

自分の人生ってものを非常に楽しんでいます。

そして、なにより、夫さんとの関係の良さ。

子どもが巣立ったあとの人生を夫婦で楽しんでいます。

結局のところ、毎日の暮らしを二人で楽しむってことだろうと思います。

毎日の暮らしに主婦業?というのかな、家事を欠くことはできないもんね。

万が一、夫さんがひとり残った場合でも、彼自身の生きる力となります。

 

ところで、定年退職した夫さんが毎日を楽しんでいるのかも気になります。

夫さんは、どんな感じかと問えば、

在職中から通っていた地元のスポーツクラブで知り合ったお仲間がたくさんいてね、長いお付き合いだから、あれこれお誘いもあってそれなりに忙しいみたい。楽しそうよ。

やっぱりね~。

男性にも、地元の人々との繋がりって大事。

 

そもそも主婦業とはなんぞや?

「主夫業」も生まれたし、主婦業なんて言葉で片付けていいのか?なんていうとこまで考えてしまいますが、家事つまり現状的に主婦業と言われている家のあれこれは毎日を快適に生きるのに不可欠な仕事。

けれど、生き方も人生のステージによって変化するように、家事の内容も人生のステージによって変化する。

 

大事だな~と思うことは、

・パートナーとの対等な関係と相手へのリスペクト。

・新しいことに素直に取り組み学習する意欲。

そして何より、お互いに人生の変化を受け入れる柔軟さ。

 

当たり前と思われていることに引っかかりを感じ、自分の考えをかたちにしていくことなのかな~。

朝ドラの寅子さんも、これから時代の変化を肌で感じ、自らが時代を変えていく役割を担うのでしょうね~。

日比谷ミッドタウン前で吠えていたゴジラ