シニアーゼ〜まるくるみらくる

60代は余生じゃない。荷物を降ろした新しい人生の始まりなのだ。

めでたい大井川鐡道・本線~ダムじいちゃんの背中・井川線へ

何がめでたいって、大井川鐵道の本線の縁起の良さ感と言ったらないですよ!

ほらほら、見てください。

まずね、金谷…つまり「金の谷」からのスタートです。

路線図は、大井川鐡道さんのHPからお借りしました。

 

さらに、よーく見てください ⇩

路線図は、大井川鐡道さんのHPからお借りしました。

合格 → 門出 → 神 → 福 → 大きくて和やかなる田

ですやん!(私の解釈)

すごすぎません?

この線に乗るだけでご利益をいただけそうな気さえします。

一緒に乗り合わせた地元の方のお話によると、合格(ごうかく)駅はもともと五和(ごか)という名前の駅だった。

門出(かどで)駅は2020年にできた新しい駅。その門出駅の開業に伴い、五和(ごか)駅を合格駅に改名したそうです。

色んなことが密かに(?)行われているんですね〜。

mayupp.hatenablog.com

この素晴らしい湖上駅から見渡す湖も、悲しくも必要不可欠な歴史があってこそのものだとか。

ところで、大井川鐡道といっても、大きく分けると2つになります(私目線)

本線 ・・・オシャレに整いつつあるご利益感満載の線。バリバリ稼ぐ世代に変貌しようと頑張っている。

 

井川線・・・約30年におよぶダム建設の歴史を物語る。じいちゃんの背中のように、りりしくてずっしりと味わい深い線。

 

今回は、本線を越えた井川線の旅。

言わば、じいちゃんの背中です。

 

井川線は、千頭(せんず)駅からスタート。

※詳しくは一つ前のブログにてご紹介(よろしければ上記にリンクあり)

わくわくしながら乗り込んだ列車に、なんとなく違和感。

「ん?」

これが観光列車?

ボロッボロ?

なんでー???

 

でした。

 

だってね、ただ単に絶景に出会うためだけにやって来たわけです。

列車に乗り込んであたりを見回した時、この使い古された感に???でした。

 

ところが、これね、ダム建設に使われたトロッコ列車だったのですよ。

それを観光列車として活用しているのです。

(当時は資材運搬トロッコとして活用)

そうわかると俄然オシャレな電車に思えてきました。

中島みゆきさんのプロジェクトXのテーマ曲が脳内に鳴り響き、ダム建設に携わった人々の姿が電車の中あちこちに見えてくる気さえしました。

長年働いて来たお顔と山々の絶妙なマッチ感!

ここで、誰がどんな操作をしていたんだろう

長年にわたり働いてきた姿は、あちこち痛んでいるし、椅子のシートもきれいとは言えない、車幅も狭いです。

めっちゃ揺れるし、走る音もガタンガタンキーキーキュルルーッと遠慮なしに大きな音なんです。

でもね、それがいいんですよ。

あのね、逆にそこがいいんですよ。

もうね、お疲れさま。まだまだ現役で、ありがとうございます、って声をかけたくなるくらい愛しくなっちゃうんですよ。

f:id:yamanekoMP:20231228142759j:image

あちこちに傷。直しもされず傷。もはや勲章。

車内はというと、

擦り切れたシ座席シート。ぼこぼこの床。


f:id:yamanekoMP:20231207163934j:image

味わいが深すぎるでしょ。

 

そして、このトロッコ列車の源が、この ⇩ ダム建設。
f:id:yamanekoMP:20231207163855j:image

およそ30年を費やして完成されたダム。

ダムの底に沈んだ民家もあったと…。

このダムを建設するために、このトロッコ列車が必要だったんです。

長島ダム

そんな歴史を持つ列車ですから、もう一つ大きな秘密があるんですよ。

それが、

途中の駅で、ガッシャンと連結される、ということ。

何をって?

急勾配を登るための車両をです。

電気機関車をです!

連結するためにトロッコ列車に近づいてくる機関車。正義のヒーローみたい。乗客みんなでお出迎え。

緑の幡でオーライオーライの合図

ガッシャン!繋がった。赤い旗が連結完了の合図

左:トロッコ列車、右:機関車。さあ、今から引っ張るぞ!

アプト式というらしいです。

説明文を何回読んでもなかなか理解できないのですが、⇩ 線路の真ん中の歯型レールに坂道専用の歯車をガッシャンガッシャンと噛み合わせつつ急勾配を登っていくのだとか。

つまり、噛ませる歯車を搭載しているのが連結した機関車。

それほどの急勾配を登らなければ、ダムが建設できなかったということですよね。

現在日本でこのアプト式列車に乗れるのは、ここだけだそう!

(行くまで知らなかった〜)

アプト式の歯型レール(真ん中)

行かなければ知り得なかった歴史。

何年もかけて今があることの偉大さ。

 

そして、駅で出会ったアジア系の外国人の若い妊婦さんは言いました。

彼女はこの山奥の旅館で働いているという。

「良い所ですね~って? 不便で退屈なだけですよ。」

そう言った彼女は、出産のために母国へ一時帰国するのだと嬉しそうでした。

 

なんとか交通費を安くあげる方法がないか一緒に考えてくれた小さな駅の駅員さん。

電車の中で、頼んでもないのに色んなことを教えてくれる地元の人々。

出会えた皆さんに感謝。