シニアーゼ〜まるくるみらくる

60代は余生じゃない。荷物を降ろした新しい人生の始まりなのだ。

「きまじめな卵焼き」から、なぜか子育ての現状に怒れる

もう3月じゃありませんか!

ついこの間、正月を迎えたばかりだったのに、もう新年の六分の一が過ぎ去ってしまいましたよー。

私の知らないところで、時間がこっそり駆け足してるんじゃないかな~。

 

その間にも、戦争に関するいろんな国の色んな事があれこれニュースになっていて、人の命がゲームみたいに扱われたり苦しんでる以外に最新兵器だの実験だのドッカンドッカンやってる画像を目にすると、もういい加減にしてくれ、我が物顔に地球を傷つけるの止めてくれ、あんたんとこの国だけの星じゃないんだよと腹が立ってしょうがない。

それでも、まるで、勝手にやれば?みたいに刻一刻と時間は平然と過ぎて行く。

今この時代も、どんどん歴史になって行くのですね。

 

ブログも、皆さんの投稿を読むだけで一日の時間切れが起きています。

読むたびに皆さんってすごいなあと感じ入って、自分の書くものがものすごくつまらなく思えるのも書かなくなってる一因なんです。

 

ついこのあいだ再発見した図書館の電子書籍サービス。

これもまた一因であります。

その後、図書館さんがドッカンドッカンと、新しい電子書籍を投下してきて、もうね、タイトルさえ全部に目を通す暇もないくらいです。

こういうドッカンドッカンは大歓迎です。

横浜市図書館さん、本気で電子書籍サービスに力を入れて来たんじゃない?って思いますよ。

 

そんな中、今、絶賛ハマり中なのが、青山美智子さんです。

最初はね、ラジオで聴いたのです。

「きまじめな卵焼き」という作品を、朗読で。

卵焼きが、「きまじめ」って何?って思いますよね。

これ、家事をしながら軽い気持ちで聴いていたんですけど、最終的に洗濯物を干している頃にラストシーンが訪れましてね。

泣きました。

暖かい陽ざしを浴びながら風に揺れているよれよれの洗濯物が、愛おしくなりました。

胸の中、温かい優しさのふわふわでいっぱいになったんです。

まだ冷たい朝の空気が、あったかい陽ざしできらめいて見えました。

 

最近は、ワーキングマザーがほとんどです。

仕事をしながら子育てもするって、本当に無限大なくらい大変なことです。

体力と気力のマラソンですよ。

なんたってね、相手が植物とか手のかからないペットじゃないんですから。

相手は人間ですよ。

人間を育てるって、真面目に対峙したら気が遠くなるくらい気遣いやら、やることが盛りだくさんなわけですよ。

思い通りになんか絶対にならなくて、時には発狂するくらいなわけですよ。

おまけに、命がかかってます。

気分次第で適当にやってたりしたら、死なせてしまうわけですよ。

それをね、仕事しながら毎日毎日粛々と行うわけでしょ。

その粛々チビチビなんだけど発狂寸前にまで追いつめられるような時間の積み重ねで、少しずつ少しずつ「人間になる」よう育てて行くでしょ。

 

子育ってって、人間という動物の「心」を育てて行かなきゃならんでしょ。

目に見える肉体だけ大きくすればいいってもんじゃないんですよ。

やり方間違えたら、えらいことにもなるんですよ。

真面目で優しくて利他的に生きられる人が、どえらいひどい目に会ったりする世の中が押し寄せちゃったりすることになるんですよ。

甘い卵焼きはうっとりしますけど、子育てを甘く見てたらえらいことになるんです。

なのに、それが今、とても軽く見られていて嫌な気分です。

片手間にできることじゃーないっつーの!

真っ正面からの真剣なる大仕事なんです。

 

今の人たちが子供を産まなくなったのって、そこじゃないですかねー?

子育てを軽く見ていないし、甘くも見ていないから産まないんじゃないですかね。

子どもの面倒をみるっていうのは、言葉どおり面倒くさいんですよ。

お手数がかかるんですよ。

忍耐力と持久力が必須なんですよ。

 

夫婦どっちかに子育てを押し付けたり、DVしてても平気だったり。

子育ての日常はやらないくせに親権だけを振りかざしたり。

手を繋いで野原を笑いながら駆けてる、みたいな夢心地のいいところだけ持って行こうとしたり。

そんな夫婦のいざこざも増えている。

思い通りに自分の人生を生きたいから。

思い通りに生きていける世の中になってるから。

誰かが誰かの面倒をみるっていうことが、ものすごく面倒がられてる。

人との関わりや助けをたくさん必要とすることなのに。

その上、そうやって全力を注いで育て上げた命の尊さが軽く見られている。

そういう時代に子育て、したいと思いませんよ。

 

青山美智子さんの作品って、人が人たるがゆえに持っている些細だけど実は重要っていう心の問題を、そっとくるんで「ほら、これでどお?」って囁いてくれるような物語なんですよ。

あったまります。

前に進もうって思います。

 

びっくりなのは、この「きまじめな卵焼き」が2018年に、ある私立中学校の入試問題として採用されたこと。

どういうことで? 読みやすいから?

いや、小学生にこのお話しは深すぎると思うな・・・。