シニアーゼ〜まるくるみらくる

60代は余生じゃない。荷物を降ろした新しい人生の始まりなのだ。

東京都庭園美術館でボタニカルアートの神髄を知りました

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美術館作成と思われるタペストリー。アートの切り取り方がさすがです。

東京都庭園美術館で「キューガーデン 英国王室が愛した花々 シャーロット王妃とボタニカルアート」が開催されています(2021/9/28~2021/11/28)。


葉っぱ好きの私としては行かずにいられない展示会。

 

緊急事態宣言も解除されたことだし、思い立ったが吉日、さっそく行ってみました。

コロナ下にありますので、基本的に入場は予約制。人数制限ありです。

あらかじめネットで予約して行きましたが、ゲートの窓口で私のすぐ後ろに並んでいた人は予約はしてないが庭園だけに入りたいと言ってチケットを購入していましたよ。

 

最寄り駅は、目黒。結構な人出でした~。

アクセスは駅から徒歩6~7分とありますが、通りに面したカフェや飲食店、狭い土地なのにデザインを駆使してオシャレに建築されたビルなんかをホーッとかヘーッとか楽しみながら歩いていくと、13分はかかったと思います。

 

到着!

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チケットもおしゃれです。👇👇👇

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ゲートからワクワクして入って行くと旧朝香宮邸が(現:美術館)

ボタニカルアートにどんな印象をお持ちでしょうか?

私は、「単に植物を写実的に描いたもの」「装飾を目的として写実的だが美しく描くもの」という認識でいたのですが、それは浅はかな解釈でした。

絵画の数々は、「美しい」というよりグロイと思うほど植物の細部にわたって(特に花)描かれています。

植物の生態を学問的に知るために、顕微鏡を使ってまで精密に描かれているのです。

植物図鑑みたいな感じでしょうか。

始まりは1759年の小さな庭から。

そこから260年もの時代を経て現在に至っています。

その途中には、植物だけでなく背景や生息地なども描き込まれるようになったりして、ボタニカルアートの時代的変遷も見ることができます。

 

ここではお目にかけられませんが、ゴクラクチョウカという花の絵には、空へ飛び立つ火の鳥のような華々しさと強い意思をも描かれていて目を奪われました。

 

蓮の花の絵では、葉っぱに魅了されて葉っぱに丹精を込め過ぎちゃって花の部分は適当になったのかな~と思えるような(勝手な想像。私にありがちなので)葉っぱと花の部分とのタッチの差がありすぎるものにクスッときたり。

 

そもそもボタニカルアートの発展には、英国王室が深くかかわっており、英国王室ご用達の陶器で有名なウエッジウッド初期の凝った作品も見られます。

 

あとは、なんと言ってもこの美術館は旧朝香宮邸。

実際にお住まいになられていた寝室でも食堂でも書斎でも、惜しみなく見ることができます。大理石をふんだんに貼りこめた壁や、部屋ごとに違う個性的な照明。

当時の贅を尽くした建築の中にいると、この中で過ごしていた人々の声や靴音が聞こえて来るようでした。

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玄関

ゆっくり歩いて15分くらいでしょうか。庭園。

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歴史を感じる太い幹。松の木の幹の皮は一枚一枚はがしておせんべいにできそうなくらい大きい。


もう一つ。

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企画展にこだわらず楽しめる、こんなお部屋も。

ここでは、今までの企画展に関する書籍や小物に触れられます。
カッチカチに堅そうなのに実は柔らかい椅子なんかも楽しいです。

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ウェルカムルーム

あと、もうひとつ。

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新館へ続く廊下にアートのようなガラス。でっかい一枚ガラスにポツポツ模様。

今回のボタニカルアートは、ユネスコ世界遺産に登録されている英国王立植物園「キューガーデン」からお借りしたものらしいのですが、このキューガーデンを紹介する動画も上映されています。

その中で、しみじみ語るガーデンの方の言葉。

 

  ー人間は、すぐに自然の大切さを忘れてしまいますー

 

日本海に打ち込まれるミサイル、中東で地面に落とされた数々の爆弾、それらを目にするたびに、海の生き物たちはどうなっただろう、また地球が傷つけられてしまった、そう感じていた私には、この言葉が心底身に沁みました。