シニアーゼ〜まるくるみらくる

60代は余生じゃない。荷物を降ろした新しい人生の始まりなのだ。

お散歩カフェで心のむくむくをつかまえる

出番を待ちきれない冬が、清んだ青い空とポカポカした日差しを少し斜め方向から自慢げに送り込む日、モリモリと久しぶりにお散歩カフェをしました。

 

モリモリは、ご存知のとおり「まる線連合」のメンバーの一人でございまして。

え? そもそも「まる線連合」をご存じない? 

あまりにもローカルな連合ですのでなんですが、お年頃女性4人で構成される、気が向いた時だけ唐突に開く言いたか放題の飲み会のことでございます。まあ、はっきり言ってしまえば、ただのオバサン4人の飲み会でございます。

失礼いたしました。

で、彼女はその一員であり同い年のシニアーゼ。

私が継続雇用を希望せずに退職を決意した時も、必死に止めようとしてくれた一人でもあります。

 

モリモリと私は、東日本大震災3.11のあの日あの時間、職場フロアのなぜそこ?という小さなスポット、通常ならお互いに全く定位置ではない、私はたまたま資料を取りに、モリモリは何かの用事のあとの通りがかりで、偶然にもそのピンポイントでほとんど向かい合わせで呆然と顔を見合わせながら大地の震動に揺られていた仲なのです。

その時はまだ、お互いのことをほとんど知りませんでした。

それからかれこれ10年。

同じ部署で一緒に働いていたわけでもないのに、なぜか時々会っています。

 

 そのモリモリが、この度、資格試験に挑戦しました。

 

モリモリは定年を過ぎてもまだ継続雇用でバリバリ働いています。

働いていますが、しかし、「完全なる定年の65歳からじゃあ遅いのよ」と第二の定年後に役立てるための資格を取る!と一念発起したのです。

それからは、あんなに酒好きなあの方が、どんなお誘いも断って(たぶん)時間が許す限り机にかじりついていおられたのです。

そして先日、やっとこさ試験が終わり、久しぶりのお散歩ランチにこぎつけたというわけです。ワタクシにとっては、長い喪が明けたようなそんな気分でございました。

長かったな~!

やっと会えたよ。

なにより、よく頑張ったよね~、本当に。

ぶらぶらと歩きながら話をするわけです。

 

この、散歩しながら話をするというのは、不思議なことに話が弾む魔法の「動くカフェ」なんですよ。

お散歩カフェと呼んでやってください!

えへへ

 歩いているという行為だけで、すでに間が持っているし、外を歩いているわけですから空の色、雲の動き、葉っぱや花の様子や行き交う車、すれ違う人々にも気持ちが飛んでったりして、そのたびに感想を述べあう口も忙しいですが、頭の中ももっと忙しいことになってるせいで、よく回ります。

脳のいろんな箇所のみなさんが。

普段は、後頭部の奥底に眠らせているようなことも、気まぐれにシナプス君が取り出してきたりして。出しちゃいけなかった本音なんかもうっかり出ちゃったりしますから注意も必要ですけれども、だからこそ面白かったりします。

まあ最近は、出そうと努力してもさっぱり出てこなかったりして連想ゲーム状態になることが確実に増えてはおります!(きっぱり)

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なんかさ〜びっくりするくらいいつの間にか還暦がやって来たよね〜。60年あっという間だったよね〜なんて話していたら、心で温めてたものをうんしょと掘り出すような感じで、モリモリが言いました。

 

「あんなシニアにならなりたいね!」

 そう思ってもらえる歳の重ね方したいよね。

 

「あんなシニアなら逆になりたい」、、そういうこと?

確かに、なりたくない老いの姿というものはたくさんあって、そうならないための努力はします。

 でも、「そんな感じならなりたいね。なってもいいね。」って老いることに対して考えたことなかったなー。

ものすごい発想の転換だね。

誰だって老人になんてなりたくないもの。

これって、見かけの問題じゃなくて、たぶん、自分自身の充実のことなんだろうな、そう感じ取れるものがモリモリの言葉の余韻に溢れておりました。

 

歳をとるってことに抗おうとするのは、なかなかに徒労です。どう頑張ったところで本物の若さに勝てるものは無い。

なら、あっさりと醜くくなったり不自由になる事も認めた上で、今を自分らしく生きればいい。

終わりが見えるからこそ、わかることがたくさんあるのもまたいい。

だんだんと「お呼びでない私」になっていくのは悲しいな〜と思っていたけど、今だからこそ蒔ける種もあるよね。

 

 うんうんうん!

なんかいいね!はっきりとは掴めないけど、それいいなぁ!

モリモリ!それいいね!

わけもなく、何かスゴイものを発見した気分。

モリモリよ、ありがとう。

 

 仕事以外の時間を、自らの知りたいことに全力でつぎ込んでいた君の姿も、「今は私に構うんじゃないよオーラ」に溢れていてとても素敵だったよ。

ワタクシもね、萎んでいく方向じゃなくて、花が開くように膨らませる方向をイメージして生きようと思うよ。

あ、もちろん、意識の話しね!

 まあ、一応、醜くなりすぎないよう、そっちの努力もしてみるよ!(笑)