シニアーゼ〜まるくるみらくる

60代は余生じゃない。荷物を降ろした新しい人生の始まりなのだ。

「すずめの戸締まり」心の扉をお開き申す!

なんと!奇遇にも12月1日の映画の日を発見しました。

1000円で一本見れるんですね。

毎月あるファーストデイの割引サービスとは別物らしいです。

しかも、その日ちょうどお休み。

そうなるともう、行くしかないです。

行ってきました。話題作。皆さんご存知。

「すずめの戸締まり」

映画館Tジョイさんの館内にて撮影

新しくできた横浜駅直結のT・ジョイに行ってきましたが、驚きました。

映画館も進化してるんですね〜。

まずね、待ち合いにソファとか椅子が全く無いんですよ。

早めに行っても座るところないなー、なんらかの理由で座らせない作戦なんだなー、何らかの理由ってなんだ?なんて思ってたら、上映シアターに行く途中の階に何やらこっそりお部屋があるじゃないですか。

写真は撮り忘れましたが、そこで少しだけ座れます。

 ⇩ 人が入れそうな扉のでっかいパネルも、そこに設置されていました。

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予約はですね、KINEZOでできました。

オンラインでクレカ決済しなくても、現地の自動機で支払いOKになってたんですよ。PayPayは使えませんでしたが、nanacoは使えましたよ。

ただし、現地決済の場合は上映時間の15〜30分前までに(上映時間によって異なる)決済を済ませないと予約はキャンセルになりますので気を付けなくてはなりません。

でも、オンライン上でクレカを使わなくて済むのは気楽でいいです。

 

そして。これ、見てください。⇩

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もう、シアター入場前にスタッフさんにチケットをちぎってもらわないんですよ。

上映時間の10分前から、この機械にチケットを見せて入場です。

5センチ四方くらいの小さくて薄っぺらいチケットの隅にQRコードが付いていて、そこをチロンって読ませるだけなんです!すごっ!

飛行機の搭乗口か!って思いました。

列の途中に、なかなかチロンって反応しない人がいるのも搭乗口か!って思いました。

スタッフさんは、「レンタルなんもしない人」みたいにただそこに立って見ているだけです。

仕事としては、ちぎってたほうが楽しいんじゃないかな〜?ちぎりながらハイどーぞーなんて声かけする方がカロリーも消費するし〜なんて思いましたが、大きなお世話です。非接触でコロナ対応にもなりますしね。

きっと、それなりの楽しみを見つけて人々がちんまりとチロンチロンしていくのを見ているのでありましょう。
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え?

「すずめの戸締まり」についてですか?

あのね。

全然期待してなかったんですよ。

映画の日で千円だから見ようかな、だったのですよ。ファンの方に叱られますね。

 

主人公のすずめさんは、なんで?え?そこまでしなくて良くない?っていうほどの大胆な行動に出るんですよ。

いきなりですよ。

大胆な行動にでる性格なんですよ~っていう丁寧な伏線なんかないんです。

ほーっ!そう行きますか?

って思うんですよ。

早く学校行きなさーい!

って思うんですよ。

見知らぬ男にそんなことしちゃだめよー!

男はどこでどう豹変するかわからないのよー!

って思うんですよ。

さらに、えーっ!お金持ってるんですかー?って現実的なこと考えるわけですよ。

 

しかし、昭和の時代に高校生だったワタクシなんぞとはもう時代が違うんですね。

それを実感しました。部活帰りに小銭でチェリオを買ってグビグビ飲みながら友達とワイワイ喜んでた時代とはわけが違うんです。

スマホですよ。未知の世界への窓。人を繋ぐ窓。使い方次第で無限に広がる窓です。もはや一人一台持っている小さなパソコン、小さなお財布スマホさん!

すずめさん!じゃなくて、スマホさん!って呼びたくなりました。

スマホパワー!

恐ろしいほど学生の生活をも変えてるんですね。もはや時代はスマホが主人公になっても良いくらいのところに来ていると思いました。

 

そしたらなんだかわかりませんけど、後半からもうボロ泣きです。

どこかにしまってあった気がかりのカケラが、心の扉を開けてポロ、またポロポロと転がり出てくるんです。

ああそうだった、そうよね、ポロ、うん、そうそう、ポロ、ポロ。うんうん。うぐうぐ。

マスクの下でぐすぐすしてたら、隣でやっぱり一人で来ていた女性もゴションゴション泣いてました。

 

すずめさん!って呼ぶ草太さん役の松村北斗さんの声もたまらなくいいんです。

すずめさん!って北斗さんが呼ぶたびにしびれます。

さすが朝ドラで国民の心を鷲掴みにしただけあります。

 

声だけじゃなくて、胸にずずんずずんと和太鼓みたいに響いてくる音のひとつひとつが、やっぱり劇場です。これはテレビでは味わえないですね。

 

あ〜。見終わると心の中にずっしりと何かが詰まっていました。

パンパンに膨らんだ扉を少しずつ様子を見ながらお開き申したい衝動にかられました。

詰まっているものを、ひとつひとつ静かに取り出して眺めたい。

 

お腹もすき申した。

ルミネの中に最近できた店。ブリル飯店へ。

ちょうどお昼の忙しい時間を過ぎた頃で、店内は落ち着いていました。

窓側の席に通していただき、ゆっくりと思索にふける環境が整いました。

周りでは、中華風アフタヌーンティーを楽しんでいるグループもいて、その楽し気な話し声がちょうどいいBGM。心地よい空間です。

 

タルト付きの炒飯を頼みました。

ブリル飯店名物?タルト。中にはでっかいチャーシューがごろり。

海老さんは、私の苦手とする透明海老ではなく白い身。ちゃんと海老の味がいたしました

炒飯の硬めの米。ひと口ずつゆっくりと噛み締める。

窓の外を見ると、なんと、向かいのビルディングに窓拭きのゴンドラ。

横浜タワーの26階建ての屋上から吊るされています。

あんな高い所で!

作業している人、すごい。

命綱を付けているにしても、なにが起こるかわからない。

こうやって恐怖を乗り越えながら、人知れず外壁を綺麗にしてくれる人がいるのだ。

 

自分の知らないところ、見えないところで頑張っている人がいる。

草太さんの後姿を見て、すずめさんもまた何かに突き動かされてしまう。

きっと、人間は誰かのために頑張っていたい生き物なんだ。

何かの具合で自分のためだけに生きる人もいるけれど。

 

生き物がいて植物が育って海があって空があって水があって食べて生きていけること、そんな地球という稀なる星に生きていること、出会える人々に限りがあること、そして、自分の使える時間はほんの少しであっという間に終わってしまうこと。

地球を外から見ることができる時代になった今、そんな大切なことに気がついて準備を始めた人々がいる。

自分もまた、小さなことから…。