「だめよ、ディビッド!」っていうインパクトのあるタイトルがついた絵本に、思いがけない所で出会いました。
松本美術館です。
草間彌生さんの展示を見たあと、すぐさま美術館をあとにするのが名残惜しくて、館内をふらふらしていたら小さな図書室みたいな部屋を見つけました。
扉は開いていますが、とても静かです。
入っていいのかな~と思いながらおずおずと入って行ったら、たくさんのアート関係の本の他にグリーンのカーペットが敷かれた絵本コーナーがありました。
もともと絵本を見るのは大好きです。
引き込まれるように絵本コーナーに入るや否や、キューっと目が釘付けになったのがこの本です。
全然かわいくないオッサン顔のちび怪獣みたいな男の子が、まさに今、金魚鉢に手をかけて落とす寸前。その上に、大きな文字で、こら~!やめんかーーーい!っていう意思がしっかり入った文字で「だめよ、デイビッド!」のタイトル。
もうこれだけで、この本の中身がわかります。
ほほ~、どんだけのいたずらをやってくれるのかな~なんてワクワクしますよね。
ページをめくっていくと、はいはいはい、おやりになってますねー。
あるある、それ、あるある。
あははは…
なんて読み進んで行くと、最後のページで・・・。
泣けます。
このお部屋、アートライブラリーと言うらしいですが、その片隅でワタクシ、ひっそり涙ぐんでしまいました。
子育てしてた時の感情がぶわって。
あったかいものがぶわって。
最近の子育てって、「叱らない」が主軸になってる感じがします。
けども、なんの予備知識もなくこの世に未完成な生き物で生まれてきたのです。
良いことも、悪いことも、やって欲しくないことも、教えてあげなくちゃ知り得ることはできないのです。
危険なこと、やって欲しくないことを「だめよ!」って思い切り言っても大丈夫。
そこに、たっぷりの愛しく思う気持ちがあるなら。
そして、次々とやらかしまくる数々のいたずらが、そかそか、やってみたかったんだね。そうだよね。って思えたり、理解できたり。
親も子も、お互いに、ごめんね。ありがとう。大好きだよ。を繰り返しながら、お互いに知能を持った「人間」になって行く、そんなことを思い出させてもらいました。
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