シニアーゼ〜まるくるみらくる

60代は余生じゃない。荷物を降ろした新しい人生の始まりなのだ。

シニア一人旅🟠丸だけじゃない!草間彌生ー松本美術館と乗り放題ミニバス

長野滞在2日目。

松本へ行こう。

JR篠ノ井線で。

長野から松本まで普通電車で1時間半。

篠ノ井線篠ノ井。知らない誰かと出会いドラマが始まるような、なんかわからないけど、そんなうっとりするような言葉の響きを持つ線。

途中の駅「姥捨」あたりから猛烈にシビれる絶景で有名な善光寺平が出現するらしい……うは~想像しただけでキラキラするな~…これはもう、のんびり電車に揺られながら一人にんまりと「篠ノ井線すばらしき景色満喫ツアー」を楽しむことにしよう、そう目論んでおりました。

しかし。

予報は・・・雨。

朝からどんよりと曇り空。

何度も確認した天気予報は午後から雨。

屈強な晴れ女のはずなのにおかしいなぁと首を捻りつつ落胆していたら、国宝の松本城方面から頭の中に怒声とともに法螺貝の音がぶぉーぶぉーと鳴り響き始めました。

午後より雨来たるとなー!ならば、午前中が勝負じゃー!グズグズしてはおれぬぞー!

プラン変更。

普通電車でのんびり一時間半の旅から急遽特急で50分の旅へ。なる早で到着する作戦に。雨よりも先に松本に到達するのじゃ。いざ出陣じゃー! 特急しなのに飛び乗りました。

 

急ぐ気持ちのせいか、乗り込んでから前へ前へとズンズン歩き、いつの間にか先頭車両の前から二番目の座席に座っていました。(一番前の席は、ビジネスマン武者に占領されていた。残念)

普段から落ち着きのないワタクシ。キョロキョロするついでに車掌室を覗き込むと、小さな窓から見える景色が普通じゃなかった…

何がって、ね。

続いてないんですよ。線路が。

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どういうことかって?

目の前に次々と現れくるはずの線路が見えないんですよ。60年以上生きて来て、せ~んろは続く~よ~、なんて呑気に歌えない衝撃の光景。

真っ直ぐひらけてないし、曲がろうとするカーブに差し掛かると先が見えない。

急なカーブの度に、線路脇に繁っている木々や草々が、まるで長い槍を手にして立ちはだかる武者達のように現れ出でて線路の姿を消してしまうのです。

それだけ急なカーブということかも。

恐らく、山道をかき分けて作られた線路。

地図で辿るとぐにゃぐにゃに曲がっている。

運転手さん、前が見通せない線路を急スピードで駆け抜けていく恐怖はないのかな?もう、慣れっこになっているのかな。突然に熊とか現れたらどないすんの?ドッカーンってぶつかったりしないのかな。

夢中になって見ているうちに窓にポツポツと小さな矢が放たれ出しました。

天空から次々と降ってくる矢のような雨粒。

くそ~!天空方面の者どもよ。

早めに奇襲をかけて来た・・・

 

ノープランのまま、松本に到着。

地図を見るだけでわくわくするという安上がりな体質なので、とりあえず観光案内所でお決まりの地図をもらいザックリと情報収集。

 

天空から攻めてくる雨槍は、収まる気配なし。

ふ~む・・・何か雨に濡れずに移動できる手段はないものかと探したら、乗り放題バスチケットがあるじゃないですか。

しかも500円/一日。

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松本市内をぐるぐるせっせと走ってくれる愛らしいミニバスさん達のお名前は、タウンスニーカー。足取り軽くスニーカーで町じゅうを走り回るイメージなのかな。

乗り方は、乗る時に整理券を取ってからの後払い方式。フリーパスでなければ距離によって料金が変わるシステム。

 

そして、これが松本市内の地図 ⇩ わくわくするでしょ。

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そして、これがタウンスニーカーちゃんが走り回るデフォルメされた地図 ⇩
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乗っては降り、降りては乗り。

食い入るように窓の景色を眺め、町じゅうをぐるぐる回ってみると、だんだんと頭の中に地図が入り込んできてショートカットできる道も推測できるようになりました。

わざわざバスに乗らなくても雨に濡れない最短距離を発見したり。

人々が集まる周辺に、めちゃくちゃでっかい広々したイオンもできている。

観光地で賑やかな面もあるけど、それほどの混雑もない。

子育て世代にも、高齢世代にも住みやすそうな町だな~。

雨のせいかもしれないけど。

 

特に予定していなかったけれど、雨だから建物の中で過ごせるところだし行ってみようと訪れたのが、松本美術館。

(入館は、タウンスニーカー券を提示して100円引きでした)

入る前は「楽し気に踊る花」、出た後には「苦し気に人生をもがく花」と目にした時の印象が変わる表玄関前のオブジェ。

お決まりの丸モチーフ。

草間彌生さんって、松本出身だったのか~。

来てよかった。入る前からわくわく。

常設の草間彌生展 ⇩

後から出てくる黄色いカボチャ以外は撮影禁止。

入るなり、子どもなら絶対に声を上げると思うユーモラスでバイタリティ溢れるいきなりのインパクトある作品がおうおうと出迎えてくれて、一瞬で度肝を抜かれました。

これが、彼女の本当の作品なのか!次々と展開される独自な世界。

まるまるまるまる、また、まる・・・彼女のイメージは私の中でどこまでも続く永遠のマル。円形。

しかし、それだけじゃなかった。

初めて草間彌生の異才っぷりを知った気がしました。

しかもそれらが生まれるエネルギーは、富とか名声なんかじゃない、「生きる」ことへの抑えがたい彼女の叫び。

私の凡庸な脳みそさえ、次々と活性化していく感覚。

頭の上にマークが次々と点灯していく感覚。

見てみよっかな~てな入る前のお気楽な気分は吹っ飛んでいました。

これだけは、撮影可 ⇧

 

ぐいぐい引き込まれて、はあはあ出てきたら、お腹がすきました。

長野に行ったら入ってみようと決めていたお蕎麦屋さんへGO。

小木曽製粉所さん。

うどんで言うと、丸亀製麺とかはなまるうどんとか、そういうイメージの蕎麦屋さんです。お手軽でおいしくてリーズナブル。

※小木曾製粉所さんのHPからお借りしました ⇩

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小盛も中盛も大盛りも、ぜ~んぶ同じ値段。

大盛りと迷ったけど中盛で(笑)

⇧ 揚げたてあつあつのマイタケの天ぷらと共に。

おいしかった。また、別の店舗で(あちこちにある)食べたい。

 

ところで、タウンスニーカーには色んな模様が施されていて、それもまた楽しかったですよ。⇩

草間彌生イメージバスが、「赤い水玉」号とかじゃなくて「水玉乱舞」号ってところに、このバスへの真摯な取り組み方が伺い知れました。

一応ね、松本城にもお邪魔しました。


晴れの日に、また来たいなぁと思いつつ、帰りはのんびりと普通電車で。

買い物袋を提げた人々や、学校帰りの高校生くらいの学生さんがどどっと乗ってきたりして、この急カーブと絶景を持つ篠ノ井線が、住んでいる人々の大切な足であることをしみじみ感じながら長野に到着。

 

夕食は、ガッツリいくことにしましたよ~。

信州牛のステーキ。ビールも忘れずに。
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帰り道に長野電鉄改札前のお土産広場で本日のデザートを買いました。

改札脇の駅員さんに会計をしていただいて地元民気分 ⇩

一粒がピンポン玉くらい大きくてはち切れそう!

明日は晴れの予報。
いよいよ長野市内に繰り出します。

 

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