シニアーゼ〜まるくるみらくる

60代は余生じゃない。荷物を降ろした新しい人生の始まりなのだ。

会社を辞めるということ

 

 60歳からをどう生きるか③

 

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さて、会社を辞めるとどういうものが襲ってくるか。

夫の転勤や諸事情で、会社を辞めざるを得ない状況に陥ったことが何度かあり、会社を辞めるということがもたらす自分の心への影響はすでに知っていました。

ざっと列記してみますと、

 

喪失感 こないだまであった自分の世界が消えてしまった。楽しみな給料も無くなった。同僚や上司の姿も、見慣れた建物の入り口も壁も廊下もデスクも、ちょっとした軽口も、もう見ることも楽しむこともできない。

 無能感 仕事もない自分にいったい何ができる?

 無価値感 社会となんの関わりもなく、給料も稼げない自分ってなんの価値がある?

 嫉 妬 みんな今まで通り楽しく仕事できていいな。

 焦 燥 早くなんとかしなくちゃ。生き甲斐がない。

 後 悔 やっぱり辞めるなんてバカだった。

 

全て自分自身の中から生まれて来るマイナス思考。マイナスの黒い塊がどんどん大きくなって心を蝕んで行くばかりです。もう、あんな思いはしたくない。だったら辞めなければいい! 辞めなくても今の自分に必要なものを手に入れる手段があるはず。

できないとあきらめないで、どうしたらできるのか考えてみました。

まずは、今の自分に無くて必要なものはなんだろうか?

 ⇒体力・時間・仕事に関係しない楽しみと人間関係

 

だったら、一週間に数日の仕事に変えればいいのではないだろうか。平日に自由な時間を作り、その自由時間に体力の回復と自分だけの楽しみを探すチャレンジをすればいい。

もちろん、給料は大幅に落ちますが、会社員という立場で仕事も持ちながら高齢時代を生きるための自分探しもできるじゃないですか。

これはいい。ナイスアイディア!

そう考えてさっそく、会社側に相談してみました。何事もトライ!です。やりたいことにトライせずに後悔するより、やって後悔。

勇気を出して交渉に挑みました。

「 仕事形態を週に数回のものに変えてもらえないでしょうか?」

結果、

あえなく却下。

 

また、ありがたいことに辞めることを考えていると知って、うちに来るのはどうか?自分が話をつけるからと言ってくださる上司が現れました。週に数日の雇用形態への変更を含めて話をしに行ってくださいました。その部署が好きだった私は一縷の望みを抱いて、万が一この話が進めば残ろう!そう心の中で決めました。

しかし 結果は、

あえなく却下。

そりゃそうですよね。会社としては、本来ならお払い箱となっている人。さっさと辞めてもらって若くて新しいこれからの人財が欲しいというのが本音。それに、そんな前例を作ったらあとが面倒です。私のあとにたくさんの60歳予備軍が控えているのですから。

 

 さてどうするか。。。

少し考えさせて欲しいと2週間ほど時間をいただきました。

会社側はすでに私のIDを次に用意してくれた部署に紐づけしていて、役席の皆さんが喜んでましたよと背中を押してくれます。しかし、私にはその部署に魅かれるものが何もありませんでした。

当時の自分に必要な体力・時間・仕事に関係しない楽しみと人間関係、それを追求する方が魅力的だったのです。

手段を尽くしても自分に必要なものが何も得られなかった。ということは、これはもうここまでにしなさい、辞めなさいというサインなのだと決着がつきました。

そして、エイヤッと新しい生活に飛び込むことにしたのです。

 

④へ続く