シニアーゼ〜まるくるみらくる

60代は余生じゃない。荷物を降ろした新しい人生の始まりなのだ。

寺院とか市場にはいっさい行ってないが

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タイ スワンナプーム国際空港からバンコク市内までの交通手段をどうするか。

タイ初めてさんは、タクシーを推奨されている。

しかし、私どもは決めていた。

電車で行こう。

乗り換えたり汗かいたり必死になるのが楽しい。

何と言っても、安い。

明朗会計。

 

空港地下に行けば電車にアクセスできると予習してきた。

 

地下にて両替もすませ、電車の改札を探す。

どこだ?

ちょうどいい感じで制服を着た若い女性が立っていたので尋ねる。

すると、驚いたことに電車だと市内まで1時間20分かかると言う。

え~っ!そんなにかかったっけ?

思案していると、タクシーなら50分、そう言いながら歩きだして案内を始めた。

あれ?タクシー乗り場って上の階じゃなかったっけ?

不審に思いながらもついて行くと、間口2メートルくらいのブースにとうちゃ~く。

初老のおじさんとひっつめ髪のおばさん、とうじょ~う。

初老のおじさん+ひっつめ髪おばさん VS シニアなり立ておばさん。

我が家のぼのぼのおじさんT氏は、このような場には参戦しない。

ただ、見ている。

 

いくら?

900バーツ。

えーーーっ! 高~い!

高くな~い! 高くないねぇ。私らええ車つこてますしね、ほら見て~この写真の立派な車。これ使うんでっせ。それに、見てみて~、皆さん乗ってはりますよ~。

ブロークン英語でなんとなくそう言いながら、領収証を切った控えの束を見せてきた。

(この日の両替商スーパーリッチのレートは 0.2815バーツ/円。900バーツったら、日本円で約3200円。日本のタクシーを基準にすると安い。しかし待てよ。たしか、ワタクシの調査結果によると相場は400~500バーツだったはず。ここで両替したばかりの数少ない1000バーツ札を失うわけにはいかない。。。)← 心の声

思案している間にも、なんやかんやと「決めろ」コールを叩き込んでくる。

落ち着こう。

君たち、すまないけれども、私ら、上の階のほかのタクシー見てきますから、いったん失礼させていただきますわ。

そういう風な的にブロークン英語を並べて立ち去ろうとするのを、え、でも!と引き留める向こうのひっつめ髪おばさん。それを、ええ、もうええ、と止める向こうのおじさん。

向こうのおじさんに、こいつらお金持ってない貧乏人とうつったか、意志が固いしっかり者とうつったかは定かでない。

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気を取り直して落ち着くと、なぜかすぐそばにあったインフォメーションに気が付いた。

尋ねると、電車エアポートラインはすぐ後ろにあった。

初めての場所は、見えるものも見えなくなっているものだな。

市内までひとり45バーツ。二人で90バーツ。

さっきのタクシーの十分の一。

安い。

しかも、市内まで30分。

なんとなく押し寄せる「勝った」感。。。おばさんは、そんなチョットしたことが嬉しい。

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 ↑ ↑ ↑

エアポートラインのチケット。このコインを改札にタッチする。

 

電車のホームで

大勢の人がきちんと並んで電車を待っていた。

 到着した電車から全ての人が降りたので、乗ろうとすると「まだ!」という声。

見ると仕事を終えたばかりといった風情の中年の女性がこっちを向いている。

タイ人。

来てそうそうに怒られた。

なるほど、ここは終点。いったん、車内を確認してから始発となるのだな。

少ししてぞろぞろと乗車が始まったが、まごまごしていてあっという間に席が埋まった。と思ったら、どこからかミス!と呼ぶ声。

さきほどの女性が席を確保しながら手招きしている。

座れた。

やっぱり、タイの人は優しい。

 

車内で

座れたので、持参したシニアーゼの目に優しい大きい地図を取り出して広げてみた。

んふふふ

お隣の学生さんらしきショートカットのかわいい女性が、なんとなくこちらを意識して落ち着きがない。

でっかい地図でしょ? 笑いかけると、何かお手伝いしましょうか?と英語の決まり文句で笑い返してくれる。

「チットロムに行こうとしてるの」

行き方は把握していたが、彼女の善意に応えたい。

「私も同じ駅で乗り換えるからついてきてください」そう言って、ちょうど通勤時間帯に突入して激込みの人波の中を、振り返り振り返り先導。

切符の買い方から、わざわざ駅員さんに確認して乗り換えの電車の改札口まで案内してくれた。

つるつるのお肌が汗でキラキラ光っていた。

なんて素敵な学生さんだろう。

別れ際に、無理やり彼女の両方の手をとってアメリカ人みたいにお礼を言った。

驚くといけないのでハグはやめておいた。

タイランドの人は、ほんっとーーー!に親切、助かりました!

あなたにお会いできて良かった!

ありがとう!ありがとうございました。

そう言ってもらえると自分も嬉しいです、少しはにかみながら輝いた笑顔でそう言うと人波の中に消えていった。 

 

満足した。

もう、帰国していいと思った。