シニアーゼ〜まるくるみらくる

60代は余生じゃない。荷物を降ろした新しい人生の始まりなのだ。

団欒がないじゃないかと彼女は言った

相模原市が、ふんぎりましたね!

土日祝に仕事のためでなくても子どもを預かってくれる保育施設を整備するそうです。

この決断。

すごいと思います。

きっと実現するまでには、たくさんの難題を乗り越えなければならないし、なんだかんだいう人々も現れるでしょう。

 

だからこそ、できるようでなかなか踏み出せない施策ですよね。

それを、やります!そう断言して踏み出したのです。

何がすごいって、理由を問わずに預かってくれるんですよ。

就学前の一番大変な時期の子育てしてる人にとって神の降臨のごとき光。

現代の若い親の皆さんって、神経すり減らして疲れ切ってるんですよね。

 

お昼休憩時のことでした。

誰が見るわけでもなくついているテレビに、闇バイトのニュースが流れてきました。

まるでなんの疑問も持たないかのように、高額のバイト代が手に入るならと簡単にあるいは気軽に犯罪に手を染めたと見える若者たち。 

 

この子達はなんでそんなことを平気でやれるんだろうね、そのあとがどうなるかとか考える力が育たなかったのはなぜなんだろうね~。私らの子ども時代は、テレビのニュースやご近所さんの噂話を家族で見たり聞いたりする中で、親たちが何気に口にする言葉を聞いて、ああこれは良くないことなんだ、こうすると家族が悲しむんだ、迷惑をかけるとはこういうことか、なんてことを知らず知らずのうちに学んで、刷り込まれて行ったものだけどね~と気軽に思い出話しをしていたら、突然、声がかかりました。

今は、そんな団らんの時間なんかないんです。

家族だんらんがないんです!

子育て真っ最中のマミさんでした。

 

家族だんらんが無い...

マミさんは、夫婦ともに働いているワーキングマザー。

朝のしたく、保育園の送り迎え、買い物、ご飯のしたく、掃除・洗濯・片付けにお風呂、嫌がる子どもの歯みがきに寝かしつけと、毎日毎日、時間に追われ、ルーティンをこなすのが精一杯。ご飯だって、子どもに食べさせるために自分が落ち着いて食べることなんてできないし、ましてや家族でゆっくり談笑する暇なんかないと言います。

 

親はとにかく常時クタクタで、まっすぐ子に向かい合うゆとりがない。

そうなると、ついつい口調がきつくなったり、どうしてもユーチューブやテレビに子どものお守りをしてもらうことになる。

それが情けないし、後悔に襲われる時もあると言います。

マミちゃん、頑張ってるんだねー。

 

私の世代は某局の子供向け番組「お母さんと一緒」に助けられました。

だから、高校野球で放送が無くなると本当に困ったものでした。

今は、ネットに繋がればいつだって幼児向け番組が見られます。

「でもね、ず~っと見せてると、だんだん目の中が空洞になって何も考えてないボ~っとした顔になるんですよ」って、そりゃかなり見せたねー。

 

そうよね。一億総活躍とか言って、誰もかれも働いてるしね~。

昔は60才を過ぎて、孫の面倒をみていた世代も普通に働いている現代。

働けるうちは働いていたいけど、孫の面倒までみる体力も時間もない。その上、ちょうど介護の時期にも入る。

実際、私も孫が熱出したから見て欲しいとSOSが来ても、急に仕事を休んで遠くまで駆け付けるのはかなりキツイ。

今って、ちょっとお願い~なんて気軽に祖父母に子どもを預けることも難しい時代なんですよね。

 

マミちゃんは、重ねて言う。

子どもを産んだ人の方が、罰ゲーム受けてるみたいな世の中ですよ。

ひえ~っ!

そこまで追い込まれてるわけ?

マミちゃん、これ以上頑張れないほど頑張ってるんだ。

 

子育てって確かに、責任も大きいし、ただ食わせてればいいってもんでもないし、頑張っただけ報われるかというとそういうことでもない大変な仕事。だけど反面、嬉しいことや楽しいこともたくさんある。わからなかった心の機微もわかるようになって自分自身も人として成長していくもの。

だけど、幼児期は特別につらい。

未開地の猿くらい手のかかるまだ人になりきっていない時期だもんね。

それなのに擁護が必要でたくさん病気もする。

病気なんてされたら、それこそ地獄。

その時期を乗り越えれば少しは楽になるってもんだけど。

 

なんとか一番つらくて厳しい幼児期に手助けがあれば、ってなるのは当然の成り行き。

異次元の少子化対策というより、まずは異次元の子育て支援策が急務に思えます。

 

相模原市では、実際に夫婦で子育てをしている職員の方の発案だったそうですが、その発案をきちんと受け止めて、実現化しようとゴーサインを出した方々がいたということでもありますよね。

 

これから保育士さんの確保だの、予算繰りだの課題はたくさんあると思います。

しかし、一番忘れてほしくないのは、子ども達が人間であること。

ホテルのフロントに預ける荷物じゃないですからね~。

心がありますから

はいよ、お願いしま~す、なんつって大人の思うようにならないです。

やだ~っ!ってギャン泣きしたり、「行かないの」ってテコでも動かなかったり。

絶対にありますよね。

 

命がありますから

その辺に置いといてくださ~い、ってわけにもいかないです。

目を離したら何が起きるかわかりませんから。

 

少しずつ人間になりつつある子どもたちが、楽しい嬉しい、だからパパやママがいなくても遊んでくるよ~って通えるようなところになればいいな。

親にも子にも、あったかくて心が和む場所になって欲しいです。

踏み出した相模原市の挑戦を応援すると同時に、マミちゃんに優しくしようと心に刻んだ次第です!

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