シニアーゼ〜まるくるみらくる

60代は余生じゃない。荷物を降ろした新しい人生の始まりなのだ。

地域の役員はたしかにああ終わった~!だったけどそれだけでもなかった

ひゃ〜!春が来てますね〜。

枯れてるみたいにじっとしていた枝先を見上げると、ほっそりした枝の隅々までワサワサと小さな芽が吹き出しています。

来たね来たね。

命の息吹!

この小さなワサワサ達が、気がつくといつの間にかワッサーッと大量の葉っぱになって太陽の隙間から私を見下ろしている。

春が来たーっとばかりにグイと腕を伸ばし、ツヤツヤ輝いて眩しい。

若葉の皆さんが一斉に開催する黄みどり色の感動マジック!

この季節。たまらないですね。

 

郵便受けにも、ドキッとする春?が入っていましたよ。

町内会の委員・役員の応募用紙です。

でも今年は動揺しません。

だってね。

去年やりましたから\(^o^)/

 

こういった系のボランティア活動って、むずかしいですよね。

いずれはやらなきゃな~って思ってはいるんですよね。

自分が逃れた分、他の誰かが重荷を背負いこんだわけです。なんとなく心の奥底に良心の呵責がしくしくフツフツ・・・。

しかし!

毎日時間に追われて勤労に励んでいる人生時期ってなかなか重い腰を上げられません。

それでなくても疲れ切ってて休む時間もままならない毎日を過ごしてるわけですよ。

そこに、無理やり一度もやったことない仕事を入れることになるんです。

たまたま一緒になった初めて出会う人たちと、全く知らない初めてのことを、何がひそんでるかわからない草むらに手をつっこむように互いの腹を探り合いながら推し進めていかないといけないんですよ。

「無理たま初めて草むら物語」なんです。

生活サイクルも趣味嗜好もわからない、共通の生活時間帯もない人々と組む「無理たま初めて草むら物語」スクラム

しかも、結構な出勤数と仕事量。

そして、無給。

なかなかにキビシイです。

 

私とて、好き好んでやったわけじゃないです。

仕事より未知の世界ですもん。

仕事を始める時は、仕事内容も労働時間もちゃんと調べてから、ウンこれならやれそうだ、この仕事ならやってみたい、って応募するじゃないですか。

もちろん、給料もちゃんと調べますよね。

 

しかし、こういった活動って、仕事内容はわからないし、楽ちんそうな仕事は奪い合いになるし、最悪くじ引きとかジャンケンで役割分担することなるし、自分の都合に合わない時間的束縛があるし、恐怖でしかないですよ。

実際、私は委員決めが行われる第一回目にどうしても参加できなくて、誰もが敬遠して残った役割にはめ込まれました。

しかし、ラッキーなことに同じ役目になった女性と意気投合。どうせやるなら楽しんでと二人でニヒニヒ笑いながら自信満々に会議に臨むも撃沈したり、的外れな爆弾落として失笑を買いつつ、助けを乞いつつ、なんとか乗り切ることができたんですけどね。

 

こんなこともあったんですよ。

定例行事で使う品物を決めなくてはならず、全員で審議していた時でした。

コロナ下でしたし、せっかくだから、地元の商品にしたらどうでしょう。地元のお店を応援できます。

そう誰かが意見を出しました。

すると、即座に、担当の委員さんが声を荒げて言いました。

それを調べて検討する時間なんかありませんよ!

仕事じゃないんですから!

 

し~ん・・・

 

結局、お手軽に手配できて、お手軽に配送してもらえるネット注文になりました。

これはこれで、時代的にマッチしているのかな。

コロナ下でもありましたし。

直接顔を合わせずにズーム会議も普通になっていました。

そうやって、どんどんやりやすい方法で誰でもが気軽に参加できるようになればいいとは思いますが、なかなか難しいですね。

ズームや会議用のWordやExcelパワポを使った資料作り、外注先との交渉や契約書作りなど、普段やらないことばかり。

それを直接会わずにやり取りして進めて行く。

仕事でこなし慣れてる人は良いでしょうけど、こっちは必死でしたよ。

便利で時短なんでしょうけど。

 

回覧板回したり、会費を徴収したり、そういう原始的なことは無いだけに、逆にどんどん難しくなってるんじゃなかろうか、と昭和のオバサンは思いました。

直に顔を合わせる機会が少ないから、人と人との繋がりが希薄なまま。

気心が知れないまま。

笑いや怒りのツボがどこにあるのかもわからない未知の世界での低温やけどみたいな会議。まじでつまらない。

回覧板まわす時の、あの無駄話こそ重要だったんじゃない?って思いますよ。

 

そんな中でも、全員で協力してやらなきゃならない行事が数回。

数回ですけど、お互いにじかに顔を見て活動するとアラ不思議、なんとな~く仲良くなっているんですよね。

一緒に同じ空気を吸って仕事をするって、やっぱり人と人を繋ぎますね。

浅いけど。

 

でも、それもまた良いのかなとも思います。

浅いけど、顔見知り。

そういう存在って、特に歳をとるとわかりますけど、とてもありがたいです。

 

私がこの土地に住み始めたのは、子育てがほぼ終わった頃でしたから、ママ友もいないし、もちろん知り合いもいませんでした。

会社と家との往復だけです。

日々、生活のために「お金を稼ぐ」を目的に過ごすルーティーンな毎日といってもいいでしょう。

そんな日々に疑問を感じて、60歳で定年して数年。

 

今では、近所を歩いているだけで「くらすこさ~ん」と声をかけてもらえます。

仲良くなった女性のメンバーだけで、女子会と称して打ち上げもしました。

絶賛ドはまり中のウクレレサークルに出会うこともできました。

江戸時代から続いている伝統文化があることを知って、自分の地元、思ってたよりすごい!と驚きました。

地元に根付いて、色んな活動をしている人々の嬉しそうな顔もたくさん見ました。

 

そんな近所に顔なじみがたくさんあるって幸せなんですよね~。

なんかすごくいいんですよね。

歩いてるだけでほんわかしちゃう。

まあ、そうなったのは委員をやっただけじゃなく、地元の仕事に従事できたからが大きいですけど。

60歳を過ぎてから、やっと自分の人生を面白がってる気がしています。

 

気になってることは、一度はやってみること。

面白がってみること。

これって、「無理たま初めて草むら物語」が「なんとなくご近所さん浅いけど幸せ物語」に変わる老年マジックですよ。きっと。

若葉みたいに新鮮じゃないけど、老年マジックもなかなかです。

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