うっかり「ちいちゃんのかげおくり」(あまんきみこ作)を聞いてしまいました。
この作品は、子ども達が小学生の頃、教科書に載っていた作品です。
多くの人に知ってもらいたい作品です。
きっと多くの人が知ってるお話しです。
が、私にはもうキツすぎます。
あかんです。
「ちいちゃんのかげおくり」は、戦時中のお話しです。体の弱いお父さんまで兵隊に取られてしまいます。
お父さんが出征する前に教えてくれた遊び。
小さいちいちゃん、お父さん、お母さん、お兄ちゃん。みんなで温かい手と手を繋ぎ笑顔で青空に影を送ります。
家族4人が仲良く手を繋いだ影が大きく空に羽ばたきます。
そして...
なぜかは覚えていませんが、この作品を当時、小学生だった子どもが家で朗読していました。
経緯は覚えていませんが、おうちで朗読して家族でお話ししてみてね、ということだったのだろうと思います。
何も知らずに読み上げて行く、我が子のあどけない澄んだ声。
どんどん戦況が悪くなっていく中。
ちいちゃんと、我が子の声が重なります。
私はもちろん、夫T氏も、声も出せずにすすり泣きからの号泣。
胸が締め付けられるようでした。
それをまた、昨日、うっかり聞いてしまったのです。
ラジオで。
あきまへん。
わが家では、「ちいちゃんのかげおくり」と「火垂るの墓」は、もう読まないし見ないことにしています。
わが家と言っても、夫T氏と私の二人です。
辛すぎて苦しくなるから。
もう終わったことにしたいから。
もう起きて欲しくないから。
しかし今、この現代に現実に戦争が起きています。
今もなお、お父さん、お母さん、お兄ちゃん、ちいちゃん、そして節子が存在している。
いつまでも終わらない。
果てしない人間の欲のために。
私の父は、身体が弱くて兵役から戻されました。
母は、畳で作った防空壕に逃げ込んで難を逃れました。
それで今、私が生きています。
この時代を生きて来れました。
もうすぐ日本に、終戦記念日がやって来ます。
平和な世界を願ってやみません。