シニアーゼ〜まるくるみらくる

60代は余生じゃない。荷物を降ろした新しい人生の始まりなのだ。

うっきうきで豊洲市場へ行ってみたら正当な結論を導き出せた

通勤ラッシュを避けうるぎりぎりの時間を狙って、やって来ました、念願の豊洲駅

ホームに降りるや否や、バスケのフェイントかけながら右往左往するみたいに変な歩き方になってしまいました。

頭の中に???がぐるぐる。

降り立ったホームの前ですけど、なんですか?これ。

通常なら、ホームドアの向こうって線路が走ってるはず。なのに線路の姿は無い。代わりに未来都市へ吸い込まれそうな通路が延々と続いています。

ここは?未来少年コナン...アニメのシーンが頭の中を駆け抜けていきました。

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理解できずに混乱していると横から声が。

「ホームドアが無駄になってる。ホームドアが欲しい駅は他にたくさんあるのに。」思ったことを婉曲に表現しない単刀直入人間のエン氏は言いましたが確かに。。。なにがどうしてこうなった?

築地から市場移転の時もすったもんだ、そして、駅のホームさえも何かのすったもんだに見舞われたのでしょうか。

有楽町線豊洲駅の謎。

 

気になって仕方がなかったのですが、チビな私より若干足の長い二人が、スピードを加速してどんどん小さくなっていくので謎の究明にピリオド。二人の背中を追いかけたのでありました。

普段はそれぞれの人生を必死で生きて特に干渉はしない。しかし何かあれば集合体となるオバサン4人衆「まる線連合」。

その中のエン氏、モリモリ、私3人の「行ってみたい」とお休みが奇跡的に合致したので豊洲市場とやらを見学しに行ってみたのです。

絶対にシースー食べるぞ!と鼻息荒く。お得感満載で鮮度バツグンのお寿司がジャジャーンと目の前に登場するに違いないと胸躍らせながら。

「シースー!シースー!」

普段から脳みそよりお腹の充実に心血を注ぐ、我ら3匹のブタ!じゃなくてオバ。

わくわくに背中を押され、交通費の節約と運動と偵察を兼ねて豊洲駅から市場まで3匹のオバサンはざっくざっくと歩いたのでありました。まあだいたい18分くらいだったでしょうか。

頭の上を走るモノレールゆりかもめを追いかけて迷うことなくたどり着けましたが、そこら一帯はとにかく人口的に美しい。

やっぱり広大なる埋立地。横浜みなとみらいと同じ匂いです。

見上げるタワマンの足元には、これでもかとたくさんの植栽。

公園も整備され、海を眺めながら遊べるハイソな雰囲気。

絵に描いたように配置され整えられた広場。

企業のでっかい建物は象徴的かつ個性的。

まだまだ工事が進行中の現場。

そして、到着!

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市場というより、何かの工場といった趣です。

この体裁の建物が、青果棟・水産卸売場・水産仲卸場と別々に建ち、白い屋根の付いた空中通路が蜘蛛の足のようにそれらを繋いでいます。

私たち3匹のオバは、まずその蜘蛛の胴体部分に立ち、足の先にあるどの建物から征服するべきかしばしの会談を行いました。

結論。まずはお食事処をチェックする。

しかし、勇んで歩き出したものの、3匹は何かをすでに感じ取っていました。

どこまでも続く直線的で無機質な通路。同じような建物。

子どもの頃、あまり気が進まなかった学校のプール。そのプールへ続く吹きっさらしの渡り廊下。海風に吹かれながら淡々と歩く直線の通路がそれを想い出させました。

この先に、ピッカピカに光り輝くシースーはあるのか?

半世紀以上生きて来た3匹。

長い年月から培った経験がなーにーかを感じ始めていました。

そして、私よりほんの少し足の長い二人のスピードがだんだんと遅くなり、飲食フロアに着く頃には足の長さ最短の私が先頭を歩いていました。

 

飲食フロアは、ビジネスオフィスビル地下の飲食店街に似ていました。

飲食店が壁に沿って並び、店頭にそれぞれのお品書きやメニュー写真。

吉野家や親子丼の店も。

その中を、頭の中に描いて来たシースーを求めて、回遊する3匹。

1周回って、うう~ん。

2周目は、無言。

3周巡る頃には、せっかく来たのだ、食べよう、少しくらい高くてもケチケチせずに食べよう!もしかしたら思いもよらない感動に出会えるかもしれないし!という、「わざわざ来たからには症候群」に陥っていました。

意を決し、しかしそこは長年の勘でちょっとケチり、ザ・昭和のモリモリと私は4800円の寿司ではなく10貫3200円の寿司を。どんな時も誰にも迎合しないエン氏は2200円のを食べました。エン氏の寿司で十分だった、むしろそっちが良かったとわかったのは食べ終わったあとでございました。

 

そうです。

ここは商売のプロが真剣勝負する市場なのです。

ひゃっほ~い「シースー!シースー!」なんて浮かれた素人が勇んでウロウロするところではないのです。

これだけの施設ですから、見学者向けの工夫はもちろん凝らされていますが、あくまで「市場とはどんなところなのか?何をするところなのか?」と学ぶ気満々の社会科見学の場(たぶん)。前夜から泊まり込みで早朝のセリを見学したり、マグロの解体にかぶりつきで熱心に参加するような向学心旺盛な人々の訪れる場所なのであります(たぶん)。

食べる気満々、お得なお買い物する気満々の浮かれ回遊魚3匹がお邪魔するところではなかったのです(きっぱり)。

市場の雰囲気と買い物気分を味わうなら、やはり築地。

お得で適度においしいお寿司を食べるなら、回る寿司屋や地元の繁盛店。

3匹の結論は出ました。

 

平日、お昼を済ませたあとの豊洲

広々した敷地。都会的で洗練された建物。人影はまばら。

コロナのせいもあってか、人との距離も充分にとれるゆったりしたカフェに3匹はいました。たっぷりと人生を語り合い、何気ない時を過ごし、何かに追い立てられる回遊魚から無事に、昭和を生きて来たちょっと面倒くさいオバサンに戻りました。

 

帰り道は迷うことなく、ゆりかもめ2駅の旅で。

少し高い所から眺める景色はまた、新たな発見があり楽しめました。

 

豊洲駅のホームが通路の謎。どうやら、2020オリンピック・パラリンピックの混雑緩和のための措置だった模様。