シニアーゼ〜まるくるみらくる

60代は余生じゃない。荷物を降ろした新しい人生の始まりなのだ。

おうちゴハンは楽しいのが一番!

暑いですね~。

おまけにコロナ対策で余計なエネルギーも使う。

そーゆー状況でも、食事の支度というのは毎日のことで、

今日はどうしよう~?

もう作るものないわ~。

もう作るの飽きたわ~。

と行き詰まることもしばしば。てか、ほぼ毎日。

そんな時、なにかヒントや刺激が欲しくて料理番組を見てしまう。

熱心にというわけじゃなくて、なんとなく。

ゴハンを作ることだけでなくて、色んな事に何だか疲れたな~と感じる時に、お菓子を作る番組に遭遇したりして、何の気なしに見ているとなんだか癒されている自分に気が付いたりします。

 

ある日、土井善晴さんのお菓子を紹介する番組に出会いました。

とても簡単な、プリン状のケーキのレシピ。

材料は、軽く焼いて小さくカットした食パンと、缶詰のみかん、それにレーズン。

それらをカップに入れて、卵、牛乳、砂糖で作った卵液(プリン液)を流し込み、フライパンで蒸してできあがり。

そこへ、残ったみかん缶の汁と砂糖と水、それに水とき片栗粉をいっぺんに鍋に入れてかき混ぜながら温め、とろりとしたところを蒸しあがってカップから取り出したケーキにかける。

簡単だけど、子どもが目の前でそれを見たら、ワクワクすること間違いなしのケーキ。

忙しい土井先生のお母さまが作ってくれた思い出のケーキだそう。

 

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作っている過程で、先生が手順をチョット間違えたりするんですけど、一切、気にしない。

「間違えたっていいんですよ、みな、おいしい」

こんな調子。

そして、作りながらこんなことを言います。

 

「 無理してやらなくていいんですよ。

できないことを無理してやることないですよ。

難しいことを無理してやるより、簡単なことをご機嫌な顔してやればいいんですよ。

まちがえたり、形が違ったり、崩れたりしていいんですよ。

全部、おいしいんですから。

 

難しいことを無理してやるより、簡単なことをご機嫌な顔してやればいいんですよ。

 

気が付きそうで、なかなか気が付けない。

何かに必死だったりすると、とかく視野が狭くなりがちで到達するのが難しい境地。

 

これ、早いとこ気が付きたかったなー!!!

私がこれに気が付いたのって、たぶん、そんな遠くない過去。

 

子どもたちがまだ小さい頃、添加物や化学物質の少ないものを食べさせたくて、生協への加入から始まり、パン作り、お菓子作りへと加速。

パンに至っては、パン教室に通うだけでは飽き足らずに、フランス屈指の料理学校ル・コルドン・ブルーにまで通い、本格的なパイ生地の折り方まで学びました。(さすがにパリまでは行ってません。)

そして、パンやお菓子・ケーキと、練習を兼ねて毎日のように焼きました。

形の良い、お手本通りの出来上がりを求めて。

ガトーショコラなんか、何度焼いても真ん中がへこむんですよ。

ちょっとだけは凹んでいいんですけど、凹み過ぎたらだめなんですよ。

それが許せなかったんですね。

何回焼いたかわかりません。

ストイックっていうか、なんかもうね、必死でした。

 

当時、よくお菓子作りは1グラムの計量誤差も許されない、みたいな風潮がありましてね~。今もそうなのかなプロの世界は。

そんなこんなに惑わされてました。

料理本に出てくるような、美しくて華やかでパーフェクトな作品。

 

そんなの目指さなくて良かったんですよ。

 

目の前で、にこにこしながら誰かが作ってくれるもの。

もう、それだけで「ごちそう」なんですよね。

トマト切って盛り付けるだけでもいい。

食パン焼いて、バターを一切れおいしそうにのっけるだけでもいい。

自分ひとりの時も、にこにこ気分で作るものって、なんか食べる時ワクワクするし。

 

さらに、良いことがもう一つ。

良く見てみると、難しいことのほとんどって、たくさんの簡単なことの積み重ねや組み合わせなんですよね。

簡単なことをひとつひとつ「おもしろいな。ふむふむ」「楽しいな」って思いながら丁寧に何回もやっていくと、不思議と難しいと思って敬遠していたことが自然とできるようになったりする。

何回もやるから手も足も早くなる。

技術も知識も付いておまけにスピードまで付いてくる。

自分のものになる。

これって、お料理に限ったことじゃない。

 

楽しさも感じずに不機嫌になりながらやったところで身につかないし、周りにマイナスパワーまで巻き散らすこともある。

 

いや~、土井善晴さんの「簡単なことをご機嫌な顔してやればいいんですよ」。

この言葉。本当に深いな~。

 

ひとつだけ今も私の手に残っているものに、子どもたちがとっても喜ぶからという理由で、研究に研究を重ねて作った「限りなくパンに近いスコーン」があります。

子ども達が大きくなるまで、何度も何度も焼いたマイレシピ。

その時の気分で、少しだけ変わったりするマイレシピ。

パンを焼くとなると様々な工程で大変だけど、ささっと簡単にできちゃうやつ。

マイレシピに至るまで、いろんな失敗しましたけど、確かにどれもおいしかった!

話がそれましたね。

 

てなわけで、我が家は、今日も切って盛り付けるだけの冷ややっこが大活躍!

 

だって、お豆腐、うちで作るとなったら、大変な作業。

大豆を煮て、漉して、にがりを入れて、固めて、切って、それぞれ細かいタイミングとかやり方に注意を払いながら、火を入れたり外したり、そんなたくさんの工程をすでに誰かがやってくださっている。

ありがたいです!

 

あとは、どういう材料でどんな思いで作られたのかな~って選んで、盛り付ける、というシンプルかつ重大な作業を執り行うだけ!

(∀`*ゞ)テヘッ

気分次第で、定番のかつおぶしトッピングだけだったり、しらすとかプチトマトとか冷蔵庫に中途半端に残ってるものを刻んでのっけたり。

結構、トッピングだけでごちそう感がでますよね~。

 

ちなみに、今は、パンもお菓子もプロのお店で購入させていただいております!

やっぱりほら、餅は餅屋って言いますもんね!

(言い訳!)

 

  おうちご飯は、その時々の、自分や家族の状況で様々に変化するもの。

「いつでもご機嫌」とはいかないけど、おおらかに楽しい時間を過ごすこと。

これが一番たいせつなことのような気がします。

 

 

土井善晴さんのケーキ

 NHKグレーテルのかまどキャビネットケーキの回です。