シニアーゼ〜まるくるみらくる

60代は余生じゃない。荷物を降ろした新しい人生の始まりなのだ。

緑は脳みそを解き放つ 湯布院

縁あって大分県由布市 湯布院 に行くことになった。

ここの所なんだかお出かけシニアーゼになっている。
なぜだ。
なぜかはわからないが、そういう風に流れている。
流れているから逆らわずに行くことにした。
シニアーゼになると素直だ。
人生は残り少ない。

大分空港経由はやめて、行きなれた福岡空港経由。
博多から ゆふいんの森 で湯布院まで。なんとまあ快適な列車の旅。
もちろん水戸岡鋭治さんのデザインだ。
いずれ九州を走る水戸岡さんデザインの列車すべてを制覇したいものだと、心の中でマグマをため込んでいる。
爆発させる機会が訪れるかどうかはわからない。
しかし、どんなことにも心のマグマは必要だと思う。
心のあちこちで密かにたぎるマグマたち。
なんかいい。( *´艸`)
人生は残り少ないですから、ね。

またまた、横道にそれてしまった。




ゆふいんの森号は、こんな感じだ。




溢れる緑にモク(木)の質感。



なんだかわからないが、乗っているだけで癒される。

そして、車内は、ほとんどが若い外国人であった。韓国語に中国語、英語、スペイン語圏の言葉も聞いた。
若者は、どんどん海外に飛び出すのがいい。
たくさんのカルチャーショックが自分を大きくしてくれる。
自分の中にある常識を見直す機会を持てたりする。
色んな外見の人がいること、いろんな考え方があること、今まで培ってきた考えだけが正しいとは限らないこと、それらを肌で感じることができて多少の違いには驚かずに、受け入れるようになる。違っていていいんだと思える。

もう40年も前になるが、学生時代に韓国を訪れた。
私にとっては初めての海外であった。
北朝鮮との境界線 板門店を見学に行ったら何人ものアメリカ兵がいた。
もちろん彼らは旅行で来ているのではない。
仕事だ。
板門店を警備するため米国から派遣されて来ていた。
迷彩服を着て銃を持った彼らは、みんな若くて背が高くてハンサムでカッコイイなと女子大生の私は思った。
話しかけたい。
恐る恐る、話しかけたら意外にフランクに答えてくれた。
その中の一言が忘れられない。
「帰りたいよ。自分の国に帰りたい」
それを聞いてハッとした。
ここ韓国で、いちアメリカ兵として立っている彼らは、一人の人間なんだ。
アメリカ兵じゃない、アメリカ人なんだ。
彼には私と同様に故郷に家族も友人もいる、なまみの人間なんだ、と。


ネット社会が進行して、言葉や映像の向こう側になまみの人がいることを忘れてしまいそうになることがある。
少し怖いなと思う。


湯布院に来て、久しぶりに田んぼを見た。
ああ、もう、稲刈りは終わったのだな、この田んぼはまだだ。
農家さんで刈り入れ時期の判断は違うんだな。
普段、当たり前のように食べているものを、作ってくださっている人がそこにいるのがわかった。




美しい緑と心地よい小川のせせらぎを持って帰りたくてボイスメモに取ってみた。
あとでわくわくして聞いてみたら、なんと、せせらぎの音が激流の音に聞こえてびっくりした。